2019/10/19 12:21



街も、人も、川も、
そして、言葉までも美しいパリ




エリオット・アーウィットは
パリ生まれのアメリカ育ち。

10代でアメリカへと移住しますが
その後も生まれ故郷であるパリを何度も訪れています。


第二次世界大戦直後の1950年代から今日に至るまで、
愛機のライカを片手に何度もパリを訪れては、

愛するパリを、愛すべきパリジャンを、愛らしいパリの犬を、
無数にカメラへと収めてきました。


本書「Paris」は
そんなアーウィットの膨大なコレクションの中から
厳選した「パリ」を多数収録した決定版。







同じく「都市三部作」のひとつである
「New York」と比較すると

よりカジュアルで、より親密で、
よりいたずらっぽさが感じられるところが特徴的。


そのため、
人や街が、より生き生きと躍動していて
空気や匂いや喧騒まで感じられるほど。


アーウィットのパリに対する愛が
ひしひしと伝わってくる一冊です。







エッフェル塔やシャンゼリゼ通りなど
パリを代表する観光地はもちろんですが

それよりも
名もなきパリジャンの日常こそアーウィットの真骨頂。


ウィットとユーモアにあふれ、
ほんのりと哀愁が漂い、

そこに
ピリっとシニカルな風味が効いた味わいが絶品です。







また、「Paris」には
アーウィットの代名詞とも言うべき
「犬」が多数登場するのもポイント。

アーウィットの犬は
人間と同じく「ほんのりと哀愁が漂い」、
それがなんとも人間臭くて印象的です。





ちなみに、このブログのタイトルの
「パリ。変わらぬパリ。世界で一番美しい街」は
2012年に日本で開かれたアーウィットの展覧会のタイトル。

彼のパリへの愛情が伝わってきますね。


世界で一番美しい街「パリ」

アーウィットはその「美しさ」を
ことさらに誇張することなく

パリに暮らす人々の、何気ない日常から
かすかに、かつ、くっきりと浮かび上がらせています。


パリが美しいのは
街が美しいのは

人や、川や、言葉が美しいから、なのです。



Elliott Erwitt's Paris / Elliott Erwitt / 6900円
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- イタリア製





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